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Q.買戻契約のオプションて何?【設例26】

  • okaikeikochira
  • 2021年9月25日
  • 読了時間: 3分

Q2.オプションが行使された場合の会計処理は?

Q3.何で借入金がたつの?

Q4.売上が計上される理由は?


これらの質問に回答致します。

なお、私見が含まれている点、ご了承ください。


〈参考基準〉IFRS,ASCについては後日更新予定

ASC470-40「Product Financing Arrangements」

FAS49

SOP78-8


A.明確に記載された文献がなかったため,私見が多分に含まれています。今回の論点は納得感を得るまでに相当時間が掛かりました。実務家でも大多数の方が触れない論点かと思いますので,試験においてはここまで抑える必要があるのかは分かりません。


収益認識基準の買戻契約はアメリカの基準から持ってきたという事の様なので(注1),恐らくアメリカで盛んなABL(資産を担保にした資金調達。担保にする不動産がなく,動産等を担保にした資金調達。ある会社(以下,当社といいます。)からSPCのような箱に商品を売って、SPCがそれをもとに金融機関にABL証券を発行して、SPCを通じて資金調達する等)の製品バージョンの話から始まった会計処理なのかなと思います。


注1:買戻条件付契約がファイナンス取引であるとみなされる場合,米国基準の会計処理では,サブトピック 470-40「製品ファイナンス取引」が適用されますが,IFRS には同様の基準がありません。 IAS18号の適用ガイダンスでは,ファイナンス取引の適用可能性を示唆していますが,その会計処理にまでは言及していません。


当社としては製品を売るので売上高を計上し製品をオフバランスするけど、それだと製品を担保に借り入れているという実態を表せないよねという課題からルール化されたのではと考えています。一旦SPCを介し金融機関から資金調達するという仕組みから会計処理上の実務問題が話題になったのかと。


当社はSPCに担保となる製品を譲渡しますが,その際に買戻契約を付します。(資金調達が完了すればSPCも畳むことになるし,担保も回収することになります。)なお,これをコール・オプション(買戻権)と取るかプット・オプション(買戻義務)と取るかは当社側又はSPC側どちらに主導権があるかによるでしょう。

そしてSPCを通じ資金調達を実施します。特にクレジットイベントがなければ,期日返済を行うでしょう。その際,買戻しが行われます。いわゆるオプションの行使が行われる訳です。

つまり,通常想定されるケースはオプションの行使となります。その際には一般的な借入金返済の会計処理を行うことになると考えられます。


ただし,設例26にあるように,オプションが行使されないケースも考えられます。その際にはSPCが製品を買い取ったこととなりますので,当社としては売上高を計上することとなります。


米国基準では負債系の基準としてまとめられている会計処理です。ただし,オプションが行使されない場合には収益計上となることから,収益認識基準に織り込まれたのかと思います。


始まりとしては米国実務なんだと思います。収益認識基準だとリース取引といった他にも会計処理のパターンが示されてますが,実務でそういった取引があるというよりも演繹的アプローチで考えられた会計処理なのではと思います。

 
 
 

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